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食品添加物ははるか下位にあり、農薬にいたっては皆無に等しい。
いま、食品添加物は、発ガン性のあるものはきびしく規制されているし、現在使われている農薬は、かつてのDDTのように残留せず、時間がたつと土壌中で分解してしまう。 ガンの原因は、化学物質や産業廃棄物など、消費者の手におえない要素よりむしろ、私たちの日々の暮らし方にあるのだ。
大半のガンは、タバコやアルコールをやめ、いろいろな食品をバランスよく食べることで防げる。 つまり毎日の食生活しだいで、私たちは寿命を伸ばしも縮めもするということだ。

毎日の食事がいかに私たちの健康にかかわってくるかの例をもう1つあげよう。 「フレンチパラドックス」である。
フレンチパラドックスとは、イギリス人とフランス人がそれぞれ同じように大量の動物性脂肪をとっているにもかかわらず、フランス人はイギリス人より心筋梗塞で死亡する確率がずっと低いというパラドックス(逆説)を指したものだ。 イギリス人が心臓病で死亡する割合は10万人中250人と、80人のフランス人に対してなんと3倍以上になる。
その理由は食生活習慣のちがいだ。 イギリス人もフランス人も、バター、ラード、脂身のたっぷりついた肉類など、動物性脂肪をふんだんにとるという点ではまったく同じ。
彼らはともに1日67グラムの乳脂肪をとっている。 ちがうのは赤ワインの摂取量だ。
フランスはワイン大国である。 アルコール類といえば、イギリスではビールが主体だが、フランス人は毎日の食事で大量のワインを飲む。
イギリス人が年間10リットルなのに対して60リットルと、なんとイギリス人の6倍ものワインを飲んでいる。 このワインがカギだ。
赤ワインにはブドウに含まれるポリフェノール類という紫色の色素が入っている。 このポリフェノール類には、体内の活性酸素を抑える働きがあり、コレステロールの酸化や血管への沈着を防いでくれる。

その結果、動脈硬化を予防し、心筋梗塞の発生率を下げていると考えられている。 ちなみに、日本人が心臓病で死亡する割合は、フランス人と同じく10万人あたり80人と少ない。
これは、乳脂肪の摂取量が1日5.6グラムと、ごく少ないおかげである。 だから1年に飲むワインの量が3.5リットルと、イギリス人の3分の1程度でも問題はないのだ。
毎日三度三度食べるものが私たちの健康に与える影響は大きい。 食習慣は、1年や2年の間ならどうということはないが、それが10年20年となると、私たちの健康を大きく左右する。

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